2000年9月26日

『古舘さん』

 古舘伊知郎というニンゲンが私の話しネタの中で「サメハダ、あのネタはいまだに使わせてもらってますよ」というとっておきのネタを記す。こういうネタに反応するのが、TVでは「古舘伊知郎」という仮面を被った「不留多知異血炉右」(ふるたちいちろう、ちょっと暴走族風♪)という、私に言わせると「パンキッシュ・ガチンコ!・インテリ・ヤクザ」(超カゲキ!!)な人物の正体であるのかも・・・・しれない(個人的感情) Be PunX!!!

 私が23才の時に住んでいた大阪は淡路地区という石を投げればヤクザか労務者に当たるサイテーの町。その町のさらにダウンタウンに位置する『下下下のゲットー byガチンコ!竹原コーチ』な場所に、私のその当時の根城、その名も「幸福荘」があった。

 「幸福荘」とは名ばかりで、家賃1万3千円、4畳半&流し、風呂なしトイレ共同のアパートには、大阪中のありとあらゆる「幸福でない人々」が吹きだまりのように集まっていた。そう、もちろん私も「アル中のフリーター」としてその場所に「何をやったらいいのか、何をどうしたいのか、何が自分にできることなのか」カイモクケントウモツカズニ流れついていた1人であった。

 なんせ、引っ越してきたその日、飲み干した缶ビールが部屋前の廊下をコロコロと軽やかに転がっていくのにまずビックリした。(斜め30度傾斜)
 そして、「鮫肌文殊」と表札がわりにケント紙にイラストをしたためて画鋲で表のドアに突き刺した時。なんと、ドアの裏側にその画鋲の先が出ていたのには笑った。画鋲の先ほどの厚さもないドアってどんな玄関やねん!!(ベニヤ板たてつけただけのドアだった・・・・)

 そして朝の9時。およそ20人は住んでいるであろう住人達が(自分も含めて)だれの一人として働きに行かないのには、ちょっと笑った。20人の「人が居るというオーラ」が、朝の9時の幸福荘を満たしてその誰もが息を潜めて「働かなきゃいけない」世の中の伽をやり過ごしているのだ、毎朝毎朝(自分も含めて)

 年金暮らしの一人暮らしのオジイサンが真向かいに。地方から出てきた出稼ぎのオッサンが隣に(そのオッサンがクシャミするとあまりの壁の薄さに耳元で「ハクション!」されたようで飛び起きた)そして女を連れ込んでそんな薄い壁の部屋で酔っぱらってエッチしまくりの男(・・・それが私♪よく隣のオッサンに夜中にドナリ込まれた)

 まさに「幸福荘」と呼ぶにはパラドックスいちぢるしい住人の元に、さらに濃い、核弾頭ともいえる住人がやって来たのは私が暮らし始めて1年後であった。

 いつものこと。昼日中からバイトにも行かず大音量で気持ちのいいラガマフィン系レゲエを聴いてた私の耳に、階段をはさんだ向かいの部屋からあるフレーズが飛び込んできた。
『ナムミョウホウレンゲキョウ・・・・・・・・。』
ん!?ラジカセのボリュームを落とした耳に飛び込んで来るそのフレーズ!
『ナムミョウホウレンゲキョウ〜!!』

 一人暮らしのアパート暮らしをすると言った時、友人どもに一番言われたのが「トナリに宗教系の住人がいないか気をつけろ!」────じゅうにぶんに気をつけたつもりがあとからはいってきたひにゃふせげませんがな・・・・。

 その日から、私と念仏ジイサン(正確には、お題目ジイサンだがそっちの方がゴロいいのでそうしとく!)の一方的なバトルが始まった。

 とにかく朝の6時から、ほとんど絶叫に近い形で念仏をとなえまくり。もう、寝てるどころのハナシじゃない・・・。こっちも負けじとパンクかけても、やっぱり人の肉声の方が耳に通るのだ・・・。

 そんなある日のこと、日雇いのソウジのバイトから帰ってきた私は信じられない自体に直面する。念仏じいさんが、めでたくTVを買い、日がな一日、フルボリュームで見だしたのだ。
♪〜おひるや〜すみわ ウキウキウォッチ〜
♪〜あちこちそちこちいいとも♪
 ブッワッチャッチャッチャ ウ〜ッ!!(唄:森田一義)
 「笑っていいとも」のテーマソングが、フルボリュームで右翼の街宣車並みの音量で聴くと、いかに暴力的か思い知った・・・・。もう一瞬足りとも気の抜けない日常。オウムが隣りに越してきた人もこんな気持ちなんでしょうか?

 ある日の事、その念仏じいさんが誰かと飲んだらしく夜中に鼻唄まじりで2Fにある自分の部屋(階段はさんだところにあるのが私の部屋)に帰ってきた。いい感じで酔っぱらっている念仏じいさん。クールファイブの名曲「長崎から船にのって」を口ずさんでいる。しかし!
♪ナガサキか〜ら ふ〜ねに乗って〜
ここまではいい。続いて・・・
♪ナムミョウホウレンゲキョウ〜
長崎から船に乗ってナムミョウホウレンゲキョウ」っていったい・・・・・。私はその時、「幸福荘」を出て行きたい、けど先立つ金がまったく無い、どビンボーな自分を呪ったのであった・・・・。

 で、そのあと念仏じいさんはどこに行ったのかって?(つげ義春「李さん夫婦」風♪) ある日突然居なくなって、部屋だけモヌケのカラにして居なくなったのです・・・・。

 でも念仏じいさんはもしかしたら今日アナタのトナリの部屋に越してくるかもしれません♪


・・・・なんちてー。スマン、今火曜日の朝3時50分頃。さっき酔っぱらって帰って来て(からくりTVの園田憲プロデューサーに多謝!!)焼酎飲みながらコレ書いててよくワカラン文章になってしまっているかも。だいたいこのくらいの感じで「焼酎5合」ってとこかな。今まででイチバン酔っぱらって書いてしまいました・・・・。

 皆サン、丁寧なリアクションありがとう。職業柄、ダイレクトなリアクションてあんまり味わえないんで参考にしつつ&励みにしてます。今回のお題エッセイどうでした?どんどん投票してね〜!!